三河内棚田テラスVIEW SPOT
里山を眺めるために生まれた場所
棚田とその合間に残る鉄穴残丘
三河内の里山はこのあたり一帯で広く行われていた古い製鉄方法「たたら製鉄」のために、砂鉄を掘った跡地の斜面を棚田にして広がった特別なもの。その証拠に棚田の合間に残るこんもりとした森は「鉄穴残丘(かんなざんきゅう)」という砂鉄の掘り残しなのです。難しいことはともかく、美しい形に広がる棚田とその合間に残る鉄穴残丘の森は自然と人が作った素晴らしいリズム感で見る人の目を楽しませてくれます。
里山は四季それぞれで全く違った表情を見せてくれます。春、田植えの季節の前に田んぼに水がいっせいに張られると、まるで里一帯が湖になったかのように。水面に反射する太陽や夜の月は何ともいえないこの季節独特ののどかさを見せてくれます。
夏になればいっせいに鳴き出すカエルやセミの声が都会の喧騒とは違う里山の夏のにぎやかさ。里山はさまざまな動植物の生息場所としても重要な場所。この里山の生物多様性は近年世界的にも注目されているのです。
そして秋になれば黄金色に実った稲の海が見事に広がります。稲を刈った後には沈む夕日が野焼きの煙とかさなって、のどかな里の時間が観る人に染みわたります。
もうこのあたりは広島でも雪深いところ。年にもよりますが冬、12月から2月頃にかけては里全体が雪に覆われる日もあります。すべてを覆いつくして里が一面の銀世界に変わると、それまでの光景とは一変して音のない神秘的でクリーンな、息をのむような美しい光景が広がります。四季それぞれに人と自然が織りなす風景はまさに誰にもまねできないアート作品。どの季節でも楽しめる1000年アート・里山庄原を三河内の棚田テラスでぜひ体感してみてください。