よもぎカフェEAT
本当にこの先にカフェがあるの
「本当にこの先にカフェがあるの??」というような曲がりくねった山道を我慢して登り続けた先には、標高800メートルの天空のカフェがあります。
行くには予約と覚悟が必要
「よもぎカフェ」はそんな場所。行くには予約と覚悟が必要ですが、たどり着けばそこは窓の外に一面の山並みが広がる素晴らしい見晴らしとセンスの良いカフェランチが待っています。予約と、運転上手なドライバーだけは忘れずに。
「本当にこの先にカフェがあるの??」というような曲がりくねった山道を我慢して登り続けた先には、標高800メートルの天空のカフェがあります。
「よもぎカフェ」はそんな場所。行くには予約と覚悟が必要ですが、たどり着けばそこは窓の外に一面の山並みが広がる素晴らしい見晴らしとセンスの良いカフェランチが待っています。予約と、運転上手なドライバーだけは忘れずに。
よもぎカフェに負けず劣らずの山中にある「まなびやcafé」。山奥の廃校をリノベした職員室になんとも可愛いカフェスペースがあります。有機栽培の野菜たっぷりなランチは予約制。メインは国産小麦にこだわったクッキーづくりとその販売です。こちらも必ず電話で確認してから伺ってくださいね。
標高400メートルの山の一軒家のパン屋さんは自家製天然酵母を使った味わい深さが特徴。ご夫婦でつくる素朴さがウリです。「ル・サンク」の天然酵母はフルーツ種で、酸味を含んだ旨味があり、食べつけるとクセになる味。いかにも健康に良さそうなパンは早くいかないと売り切れもあるので、伺うなら早めに行った方が吉ですよ。
「乳ぃーずの物語」のすぐそばにある「すけあくろう」は手入れの行き届いた緑の森に囲まれた、趣のある建物。店内にはジャズが流れログハウス風の造りはカントリー感満載です。ここに来たら食べたいのが比婆牛のハンバーグステーキ。がっつりした味わいの濃い比婆牛ハンバーグはここでしか味わえない逸品。
集落の奥まったところにある古民家が、なんとハイレベルなワインショップ。「大澤田葡萄酒店」は「こんなところにこんなすごい店が」と驚くラインアップのレベルの高さ。それもそのはず、オーナーは海外でワインを学び、大阪の一流ホテルのソムリエや日本最大のワインスクールの事務局長までつとめた方。豊富な知識とネットワークを駆使したラインアップは東京でも入手困難な銘柄すら多数取り扱うほど。知っている人はわざわざ買いに来る、そんなお店です。こちらも不定期でお休みとなるので、伺う際には事前に電話を。
秘境駅で有名な備後落合駅すぐのところにあるのが「ドライブインおちあい」。備後落合駅同様、昭和テイスト満載な外観は入る勇気を試されます。ですが、ここにはかつて備後落合駅が賑わっていた昭和初期にホームで売られていた人気メニュー「おでんうどん」があるのです(9月―5月限定)。秘境駅備後落合を訪ねたら、ここでお昼ご飯をいただくまでがセットです。さらに近所の「高尾の湯」まで組み合わせられれば備後落合グランドスラム完成!
庄原の市街からすぐのところ、古民家をそのままレストランにしているのが「レストラン来里」です。普通の民家風で奥まったところにあるため、ちょっとした隠れ家のようなお店ですがその分ゆっくりと過ごせて居心地の良さは最高。メニューは手軽なイタリアンが楽しめるトラットリアと言ったところでしょうか。ピザとパスタがとてもおいしい庄原NO.1のイタリアントラットリアです。
庄原の北海道と言われる豪雪地帯高野町の広大な田園の真向かいにでん、と鎮座する細長―い建物が「ふるさと茶屋」。ただし!看板には「ふぁみりー&フレンド 母さん」と書いてあるのでお間違いなく。
うどんとむすびしかないお店ですが、なによりこれが旨い。特にこってりしたカレーうどんを楽しんだ後、残ったカレー汁に高野町産米のむすびを突っ込んで掻き込むのは最高の贅沢。アップルロードでのリンゴ狩りや大鬼谷オートキャンプ場のツリーアドベンチャーを楽しんだ後は、これ一択です。
「やませみ」は熊野神社へのルート上にある古民家のお食事どころ。大阪から移住されたご夫婦がお手製のお昼ご飯を出してくれます。
自前の畑でその日に採れた野菜を中心に構成された「おまかせ定食」はたくさんの食材を丁寧に組み合わせてつくられた手の込んだものだけに、出てくるまでに時間がかかります。ですがその時間をひっそりした古民家の雰囲気を楽しみながらぼーっと待つのがこれまた贅沢。熊野神社へのお参りの後にはぜひ訪れたい場所です。
高野町でもう一軒ご紹介したいのが「農家キッチンとまり」。その名の通り地元の農家さんがやっているお店です。トマトを育てる農家さんらしく食事のメインはトマトソースのパスタやトマトのハヤシライス、トマトソースのオムライスなど、フレッシュなトマトならではのもの。
ですが、このお店がすごいのは、副菜バイキング(小鉢のときもあり)。地物の山菜や野菜を多彩な漬物などにした漬物バイキングはお店をやっている地元のお母さんたちが自分たちで漬けたもの。めくるめく漬物ワンダーランドは楽しすぎてご飯が足りません。
奥出雲まで足をのばせば、山中にこつ然と現れるたたら製鉄の名家の邸宅を記念館にした「絲原記念館」があります。うっそうとした山中の洗練された邸宅遺構は秋には紅葉の名所にもなります。
そんな敷地内に設けられているのが喫茶「茶房十五代」。大正時代の建築による国の登録有形文化財の建物はノスタルジックな雰囲気で、記念館や敷地全体の空気感と合わせてちょっと浮世離れした気分を楽しむことができますよ。
最後にご紹介したいのが、出雲そばの名所。と言っても実はここは現役の駅なんです。「扇屋そば」はなんと駅舎そのものがお店。JRの木次線の駅である「亀嵩駅(かめだけえき)」は、松本清張の傑作「砂の器」に出てくる駅として有名で、映画のロケも行われたところ。
いまでも現役の駅として使われているのですが、その時間が止まったような駅舎に入ると、そこはもうお蕎麦屋さん。おいしい出雲そばをいただくことができます。お店の窓からはホームが覗いていますが、木次線は本数が少ないので列車が来たらラッキー。ひなびた駅の雰囲気と出雲そばが両方楽しめる楽しいスポットです。
庄原市比和町の棚田
The Art of
Man and Nature
庄原市比和町の棚田
中四国地方最大の面積を誇る広島県庄原市は、その見渡す限りが里山風景です。
里山とは人の手が適度に加わった二次的自然のことを指します。
その里山が近年、未来へのヒントとして世界から注目されています。
1つは持続可能な未来のための環境保全の観点から。
そしてもう1つは新しい旅の目的地として。
まるでアートのように、自然と人とが絶妙なバランスで紡いだ里山・庄原のエビソードをいくつかご紹介します。
比婆山 御陵
The Art of
Man and Nature
比婆山 御陵
庄原の歴史は深く、1000年以上前に書かれた日本最古の書物『古事記』に、日本を創造した女神イザナミノミコトを葬った場所として庄原の比婆山が登場します。
長い年月を経ても変わることなく雄大な比婆山と、それを遥拝するために建てられた熊野神社一帯は、一歩足を踏み入れるだけで、まるで時が止まったかのように神秘的で心静まる世界が広がります。深く人影もない森の中にも関わらず、どこか温もりが感じられる不思議な空間。
自然と人とが長い時間をかけて創り上げてきた美しい世界が、庄原には多数存在します。
せとうち古民家ステイズ 長者屋
The Art of
Man and Nature
せとうち古民家ステイズ 長者屋
庄原市の古民家残存率は全国第3位。庄原は国内でも有数の古民家の里と言えます。
庄原では、かつて家の座敷に「神殿」が設けられ、祖霊祭祀や牛馬供養などの神楽が舞われるなど、地域の祭事を個人の家で執り行うことがありました。そのため、新たな家を建てる時は地域総出で行われました。こういった背景からも、先祖や地域の想いがつまった家を、大切に次世代に受け継ごうという意識が根付いています。
欧米では、家は受け継ぐべきものであり、古い家ほど価値が高まると言います。
そんな欧米の価値観にも似た、サスティナブル発想が生む貴重な風景です。
熊野の大トチの森
The Art of
Man and Nature
熊野の大トチの森
庄原は何千年も前から、「里山」という関わり方で自然と人とが程よい距離感で共に生きてきました。
里山の中心には田んぼがあり、その他にも雑木林、溜め池、鎮守の杜など様々な要素によって構成されています。例えば、人が整えた田んぼや溜め池にはカエルが住み、そのカエルをエサとする小動物が来ます。適度に人の手が入る里山に住むことは、生き物にとっても住みやすい生息地であり、環境保全に欠かせない生物多様性を育む場となるのです。
こうした里山というエコシステムが、持続可能な未来のあり方として、今、世界中から注目されています。
せとうち古民家ステイズ 長者屋
The Art of
Man and Nature
せとうち古民家ステイズ 長者屋
2020年、欧米を中心とした数多くの海外メディアに庄原が紹介されました。
長い歴史を持つ庄原での人々の暮らしには、昔も今も、「自然との調和」がテーマとしてあります。自然を尊びながら、そして自然に沿いながら生きる暮らし方。そんな姿勢から培われる価値観や人柄―。そういったものを実際に滞在し、肌で感じることが、自分自身や未来のことに想いを巡らすきっかけになる。
サスティナブルツーリズムというこれからの新しい旅の目的地として、庄原が注目されています。