荒木家住宅HERITAGE
300年以上保たれた神官の家
国が重要文化財に指定している「荒木家住宅」は里から離れたポツンと一軒家。中を見ることはできませんが、入り口のしめ縄が示すようにここは中世の神官の家でした。300年以上保たれた神官の家は人里離れた場所もあいまって、江戸時代に連れていかれるよう。
国が重要文化財に指定している「荒木家住宅」は里から離れたポツンと一軒家。中を見ることはできませんが、入り口のしめ縄が示すようにここは中世の神官の家でした。300年以上保たれた神官の家は人里離れた場所もあいまって、江戸時代に連れていかれるよう。
もう一つの国の重要文化財「堀江家住宅」も築300年以上。個人所有ですが見学可能。茅葺の深い軒で覆われた家屋の内部は光も差し込まず神秘的ですらあります。
庄原市比和町の棚田
The Art of
Man and Nature
庄原市比和町の棚田
中四国地方最大の面積を誇る広島県庄原市は、その見渡す限りが里山風景です。
里山とは人の手が適度に加わった二次的自然のことを指します。
その里山が近年、未来へのヒントとして世界から注目されています。
1つは持続可能な未来のための環境保全の観点から。
そしてもう1つは新しい旅の目的地として。
まるでアートのように、自然と人とが絶妙なバランスで紡いだ里山・庄原のエビソードをいくつかご紹介します。
比婆山 御陵
The Art of
Man and Nature
比婆山 御陵
庄原の歴史は深く、1000年以上前に書かれた日本最古の書物『古事記』に、日本を創造した女神イザナミノミコトを葬った場所として庄原の比婆山が登場します。
長い年月を経ても変わることなく雄大な比婆山と、それを遥拝するために建てられた熊野神社一帯は、一歩足を踏み入れるだけで、まるで時が止まったかのように神秘的で心静まる世界が広がります。深く人影もない森の中にも関わらず、どこか温もりが感じられる不思議な空間。
自然と人とが長い時間をかけて創り上げてきた美しい世界が、庄原には多数存在します。
せとうち古民家ステイズ 長者屋
The Art of
Man and Nature
せとうち古民家ステイズ 長者屋
庄原市の古民家残存率は全国第3位。庄原は国内でも有数の古民家の里と言えます。
庄原では、かつて家の座敷に「神殿」が設けられ、祖霊祭祀や牛馬供養などの神楽が舞われるなど、地域の祭事を個人の家で執り行うことがありました。そのため、新たな家を建てる時は地域総出で行われました。こういった背景からも、先祖や地域の想いがつまった家を、大切に次世代に受け継ごうという意識が根付いています。
欧米では、家は受け継ぐべきものであり、古い家ほど価値が高まると言います。
そんな欧米の価値観にも似た、サスティナブル発想が生む貴重な風景です。
熊野の大トチの森
The Art of
Man and Nature
熊野の大トチの森
庄原は何千年も前から、「里山」という関わり方で自然と人とが程よい距離感で共に生きてきました。
里山の中心には田んぼがあり、その他にも雑木林、溜め池、鎮守の杜など様々な要素によって構成されています。例えば、人が整えた田んぼや溜め池にはカエルが住み、そのカエルをエサとする小動物が来ます。適度に人の手が入る里山に住むことは、生き物にとっても住みやすい生息地であり、環境保全に欠かせない生物多様性を育む場となるのです。
こうした里山というエコシステムが、持続可能な未来のあり方として、今、世界中から注目されています。
せとうち古民家ステイズ 長者屋
The Art of
Man and Nature
せとうち古民家ステイズ 長者屋
2020年、欧米を中心とした数多くの海外メディアに庄原が紹介されました。
長い歴史を持つ庄原での人々の暮らしには、昔も今も、「自然との調和」がテーマとしてあります。自然を尊びながら、そして自然に沿いながら生きる暮らし方。そんな姿勢から培われる価値観や人柄―。そういったものを実際に滞在し、肌で感じることが、自分自身や未来のことに想いを巡らすきっかけになる。
サスティナブルツーリズムというこれからの新しい旅の目的地として、庄原が注目されています。