東城の町並みHERITAGE
新旧の見どころがたくさんの歴史街
庄原の東端、お隣は岡山県の東城町は歴史ある城下町。かつては「くろがねどころ東城」と云われ、製鉄で栄えた場所でした。また良質な水に恵まれて酢や酒造りが盛んなことでも知られ、18代を数えこだわりの赤酢をつくり続ける「後藤の赤酢」や名酒と名高い「超群」の酒蔵「生熊酒造」、本格的な酒饅頭で二日間しか日持ちしない伝統製法を守り続ける「竹屋饅頭本舗」などの名店が今もひしめきます。
庄原の東端、お隣は岡山県の東城町は歴史ある城下町。かつては「くろがねどころ東城」と云われ、製鉄で栄えた場所でした。また良質な水に恵まれて酢や酒造りが盛んなことでも知られ、18代を数えこだわりの赤酢をつくり続ける「後藤の赤酢」や名酒と名高い「超群」の酒蔵「生熊酒造」、本格的な酒饅頭で二日間しか日持ちしない伝統製法を守り続ける「竹屋饅頭本舗」などの名店が今もひしめきます。
「日本一静かなターミナル駅」とも言われている秘境駅。芸備線と木次線という二つの路線がここで交わります。秘境駅として最近有名になってきて鉄道ファンなどが訪れることが多くなりましたが、日に何本も列車は来ない静かな無人駅です。かつては山陰と山陽を結ぶ拠点駅として大いににぎわったようで、いまも駅横には大きな駅前旅館がありますが営業はしていません。往時の賑わいを思いながらホームのベンチに座って過ごすのも秘境駅の醍醐味ですね。駅のすぐ近くには別にご紹介する「ドライブインおちあい」があり、駅がにぎわっていたころホームで食べられた名物「おでんうどん」が今でもいただけます。
備後落合駅からわずか3分程度山道を走ると、「こんなところに」というようなポツンと一軒家の温泉があります。「高尾の湯(こうおのゆ)」は高尾川のほとりにあるごく家庭的な温泉。泉質はアルカリ性で昔から地元の人がケガや病気の治療、農作業の疲れをいやす湯として親しんできました。おかみさんが薪を使って温めてくれる飲用も可の温泉水は飲めば胃潰瘍やアトピー性皮膚炎にも効き目があるそう。電話でやっているかどうか確かめてから、行ってくださいね。
庄原市比和町の棚田
The Art of
Man and Nature
庄原市比和町の棚田
中四国地方最大の面積を誇る広島県庄原市は、その見渡す限りが里山風景です。
里山とは人の手が適度に加わった二次的自然のことを指します。
その里山が近年、未来へのヒントとして世界から注目されています。
1つは持続可能な未来のための環境保全の観点から。
そしてもう1つは新しい旅の目的地として。
まるでアートのように、自然と人とが絶妙なバランスで紡いだ里山・庄原のエビソードをいくつかご紹介します。
比婆山 御陵
The Art of
Man and Nature
比婆山 御陵
庄原の歴史は深く、1000年以上前に書かれた日本最古の書物『古事記』に、日本を創造した女神イザナミノミコトを葬った場所として庄原の比婆山が登場します。
長い年月を経ても変わることなく雄大な比婆山と、それを遥拝するために建てられた熊野神社一帯は、一歩足を踏み入れるだけで、まるで時が止まったかのように神秘的で心静まる世界が広がります。深く人影もない森の中にも関わらず、どこか温もりが感じられる不思議な空間。
自然と人とが長い時間をかけて創り上げてきた美しい世界が、庄原には多数存在します。
せとうち古民家ステイズ 長者屋
The Art of
Man and Nature
せとうち古民家ステイズ 長者屋
庄原市の古民家残存率は全国第3位。庄原は国内でも有数の古民家の里と言えます。
庄原では、かつて家の座敷に「神殿」が設けられ、祖霊祭祀や牛馬供養などの神楽が舞われるなど、地域の祭事を個人の家で執り行うことがありました。そのため、新たな家を建てる時は地域総出で行われました。こういった背景からも、先祖や地域の想いがつまった家を、大切に次世代に受け継ごうという意識が根付いています。
欧米では、家は受け継ぐべきものであり、古い家ほど価値が高まると言います。
そんな欧米の価値観にも似た、サスティナブル発想が生む貴重な風景です。
熊野の大トチの森
The Art of
Man and Nature
熊野の大トチの森
庄原は何千年も前から、「里山」という関わり方で自然と人とが程よい距離感で共に生きてきました。
里山の中心には田んぼがあり、その他にも雑木林、溜め池、鎮守の杜など様々な要素によって構成されています。例えば、人が整えた田んぼや溜め池にはカエルが住み、そのカエルをエサとする小動物が来ます。適度に人の手が入る里山に住むことは、生き物にとっても住みやすい生息地であり、環境保全に欠かせない生物多様性を育む場となるのです。
こうした里山というエコシステムが、持続可能な未来のあり方として、今、世界中から注目されています。
せとうち古民家ステイズ 長者屋
The Art of
Man and Nature
せとうち古民家ステイズ 長者屋
2020年、欧米を中心とした数多くの海外メディアに庄原が紹介されました。
長い歴史を持つ庄原での人々の暮らしには、昔も今も、「自然との調和」がテーマとしてあります。自然を尊びながら、そして自然に沿いながら生きる暮らし方。そんな姿勢から培われる価値観や人柄―。そういったものを実際に滞在し、肌で感じることが、自分自身や未来のことに想いを巡らすきっかけになる。
サスティナブルツーリズムというこれからの新しい旅の目的地として、庄原が注目されています。