道の駅遊YOUさろん東城

間違いなく比婆牛が食べたい方限定
比婆牛の本当の味が分かるステーキハウス

【比婆牛ステーキを食すならこの方をご指名ください! 東城町出身の小美堂則夫シェフ】
※撮影時のみマスクを外しています。
【比婆牛ステーキを食すならこの方をご指名ください! 東城町出身の小美堂則夫シェフ】 ※撮影時のみマスクを外しています。

庄原で「比婆牛」を味わってみたかったら、
まずこちらのステーキハウスへ。

目の前で、希望通りの焼き上がりにしてくれるスゴ腕のシェフもいます! 
・・・と、紹介すると、小美堂シェフは照れてしまうだろうなぁ。
 でも本当に都会の一流ホテル並みの比婆牛ステーキが味わえる、知る人ぞ知る名店なのです。

中国自動車道東城インターチェンジからわずか100メートルのところに道の駅「遊YOUさろん東城」があります。施設内には、二つのレストランがあります。一つは比婆牛ステーキを堪能できる「ステーキハウス雄橋」、もう一つは比婆牛丼をはじめカジュアルな定食が楽しめる「レストランもみじ」です。
 どちらも比婆牛メニューは、小美堂シェフが調理するので、期待値高めでご来店ください。

【「こちらを調理させていただきます」と言って塩、こしょうをふる小美堂シェフ】
【「こちらを調理させていただきます」と言って塩、こしょうをふる小美堂シェフ】

まずは「ステーキハウス雄橋」のメニューを紹介します。
比婆牛のヒレかロースをお選びください。そしてAコースは230g、Bコースは200g、Cコースは150gとお肉のボリュームをチョイスします。
あとはセットにするか単品にするかを決めるだけ。

「では、ロースのBコースをお願いします!」

【比婆牛を堪能するならまずは塩、こしょうで。塩加減がピタリと決まるかどうかは、シェフの腕の見せどころ】
【比婆牛を堪能するならまずは塩、こしょうで。塩加減がピタリと決まるかどうかは、シェフの腕の見せどころ】

「シェフは、もともとはどちらのご出身ですか?」
「僕はこの東城町です。」
「じゃあ、昔から牛が身近な存在だったのですね?」

実は比婆牛の歴史の中で、明治初年頃の帝釈村(現在の東城町)には、すでに優良な蔓牛が誕生していたことが知られています。小美堂シェフは子どもの頃から、周囲に牛を飼っている家が珍しくなかったと言います。
「そのことが今のお仕事に繋がっているんでしょうか?」
「そうですね、牛に対して親近感はありました。もっとも当時はカワイイと思う存在で、まさか食べさせる仕事に就くとは思っていませんでしたが(笑)」

小美堂シェフがここで腕をふるうようになって、20年になるそうです。それまでは大阪のホテルでフレンチやステーキハウスでの勤務を経験。なるほど、その経験あってのこの所作ですね!

「ところで、ヒレとロースでは焼き方を変えたりするのでしょうか?」

「やっぱり、ロースはヒレに比べるとサシの量が多いでしょう。だから熱伝導率が良い。薄いロースだと、かなり高温にしてさっと火を通すようにしないとうまくいきません。ヒレはね、じっくり焼きますね、その分厚みも持たせてあります」

なるほど。やはりその見極めは、家でたまにしか焼かない素人には真似できない技ですね。

【定点観測!? ではありませんが、見事なほど同じ位置で焼いていきます。比婆牛はもちろん付け合わせの野菜も絶妙な火通り】

※撮影時のみマスクを外しています。
※撮影時のみマスクを外しています。

「これまで何枚ものステーキをお客さまの前で焼いてこられたシェフですが、比婆牛は、どのように評価されていますか?」
「広島和牛の中でも一番良いですね。サシの入り方、脂の溶け方が違います。色もね、ヒレでいうと、ピンクというよりオレンジ色のものも入ってきたりするんですが、非常に肉質が良い!」

こんな会話をしながらも、比婆牛ステーキは目の前で確実に焼きあがっていきます。

そして側面にもじっくり火を通します。

あぁ……このカットする姿がまた素敵です! スッと入るナイフの動きがたまりません。

あぁ……このカットする姿がまた素敵です! スッと入るナイフの動きがたまりません。

仕上げにブランデーでフランベ。

フランベとは、
調理の最後にアルコール度数の高いお酒をふりかけて一気にアルコールを飛ばすことです。香りづけをすると同時に、うま味を閉じ込める効果があるといわれています。

できました♡ 美味しそう!

え? あれ? 焼く前より、ボリュームアップしてませんか??

  • 【↑こちらが焼く前の比婆牛ロ―ス200g】

  • 【↑こちらが焼いた後の比婆牛ロースステーキ】

普通は焼き縮みするように思うのですが、

比婆牛って……もしかして、焼いたら大きくなる!?

(※実際はそんなことはありません。)

こんなにボリュームがあってBコース。 Aコースになると、さらに厚みが加わります。厚みがある方が噛みごたえがありますよ。

【「これは、ホントにウマイね!」と箸が止まらないお客さま。喜んでもらえることが何よりの喜び、と語る小美堂シェフ】 ※撮影時のみ、マスクを外しています。
【「これは、ホントにウマイね!」と箸が止まらないお客さま。喜んでもらえることが何よりの喜び、と語る小美堂シェフ】 ※撮影時のみ、マスクを外しています。

そうそう、比婆牛はとにかく、噛んでほしいのです。奥歯で、肉の繊維を全部、砕いてしまうようなイメージで。この噛む間に、比婆牛のうま味がじわじわと口の中に広がってきます。ホント、すぐに飲みこまないでくださいよ!
 こうしてシェフとの会話も楽しみながら、目の前で比婆牛が焼き上がっていくのを見ている時間、これこそがこの日の一番のごちそうだったかもしれません。そして特徴的なのは、メニュー構成。冒頭で紹介したように、ヒレかロースを選んだら、あとはそのボリュームを選ぶだけ。前菜でちょっとしたサラダなどは付きますが、メインはあくまで比婆牛。ここでは比婆牛以外の料理でお腹がいっぱいになるなんてことは起こり得ないのです。

 将来は「比婆牛専門ステーキハウス」と名乗ってほしいくらいです!

【「ステーキハウス雄橋」の隣にある「レストランもみじ」】
【「ステーキハウス雄橋」の隣にある「レストランもみじ」】

実は小美堂シェフは、お隣「レストランもみじ」のシェフを兼務されています。

「もみじ」は、ハンバーグやとんかつなどお馴染みの定食やカレーなどカジュアルなメニューが揃っていますが、おすすめしたいのは「比婆牛丼」です。

【「もみじ」のイチオシメニュー「比婆牛丼」】
【「もみじ」のイチオシメニュー「比婆牛丼」】

地元東城産のごはんの上には、特製のBBQソースがしっかり絡んだ比婆牛のばら肉と野菜、ピリ辛に味つけした比婆こんにゃくのステーキ。比婆牛、比婆こんにゃくという庄原の二大名物が一度に楽しめる洋風丼です。自家製のにんにくチップは、厚みといい、香ばしさといい、絶妙です。さすがステーキハウスのシェフ、にんにくチップにも手は抜きません。

野菜と比婆こんにゃくだけでも食べ応えがあるので、お肉が少なめでいいな~という日は、こちらの丼を味わってみてください。

両方のお店で比婆牛を味わってみると、やっぱり部位によってかなり味わいが違うんだな~ということに気付きました。それと同時に、部位によって適した焼き加減、合う味付けがあるのだ、と感じました。

家庭用のレシピでは「牛肉(こま切れ)・・・100g」なんて書いてありますが、あれは本当に初心者向けのお話。こま切れは「細かく切った」の意味で、部位を限定するものではありません。プロは、まず比婆牛を分かった上で、部位ごとの特徴を踏まえて調理をしています。同じ部位でも、その日に入った肉の状態をちゃんとみてから調理します。

「比婆牛って美味しいの?」という素朴な疑問をお持ちの方は、まずは小美堂シェフの焼いた比婆牛ステーキを! そうすれば「比婆牛は美味しい」という明確な答えにたどり着くでしょう。ただし誰が焼いても美味しい……というわけではありません。ちょっと比婆牛に対するハードルが上がる結果になるかもしれませんのでご注意を!

店舗情報

店名 道の駅遊YOUさろん東城 
ステーキハウス雄橋 レストランもみじ
住所 広島県庄原市東城町川東877
電話番号 08477-2-4444
営業時間 11:00~18:00
定休日 水曜日
ホームページ http://www.yousalon.sakura.ne.jp/

取材・文/平山友美