EDITORIAL REPORT
編集部レポート
市民ローカルガイドツアー「スノーシューハイク」開催

市民ローカルガイドツアー「スノーシューハイク」開催

スキーやスノーボードなど、皆さん、ウインタースポーツの経験はありますか?私、ライターの浅井は以前にちょっとだけスキーをやったことがあるのですが、すっかり忘れてしまいました…。「スキーは自転車と一緒で、一度覚えたら忘れないよ」とアドバイスをいただいたりもしたのですが、再トライするのはなかなか億劫^^; 

で・す・が!今回市民ローカルガイドツアーで行ったスノーシューは、運動が苦手な人も無理なく行えるウインターアクティビティ。難しくなく、手軽で、冬に何か始めてみたい!という人にぴったり。

市民ローカルガイドツアー過去最多数の参加者が集まった、スノーシューハイクの様子をレポートします。

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1月25日(水)に『ひろしま県民の森』にて開催された、市民ローカルガイドツアー「スノーシューハイク」。スノーシューとは、スノーブーツなどに装着して使用する、雪の上を歩行するための道具。日本で言う「かんじき」のような存在です。普通の靴だと雪に足が沈んで歩きにくいものですが、スノーシューは雪との接地面が広くて歩きやすく、特別な技術がなくても気軽に雪山トレッキングを楽しめます。

興味のある人が多かったのか、今回のツアー参加者は過去最多の15名!スタッフ含め20名以上の大所帯で、賑やかに行われました。 
当日は午前9時半に県民の森公園センターのロビーに集合。この日ガイドを務めてくださったのは、県民の森支配人の伊折直人さんと、比婆山を守る有志団体「比婆もりの会」メンバーの槙恵さん。まずは槙さんから、スノーシューの道具の説明や装着の仕方のレクチャーがありました。

配られたスノーシューを手にするも、最初は履き方がちんぷんかんぷん(笑)。槙さんから「穴の開いている隙間が2cmくらい見えるところで足を置いて、くるぶし側からパチンととめていって」と教えてもらいました。

歩き方のポイントは、「オムツにうんちをしちゃった赤ちゃんが、ちょっと気持ち悪そうに足を広げて歩く感じ」とのこと(笑)。足は上にあげずに、ズルズルと引きずるように歩くのがコツだそうです。ストックは、肘の角度が大体90度くらいになるのがベストの長さ。準備が整ったら、いよいよトレッキングに出発です!

 今回チャレンジしたのは、公園センターからすぐの伊良谷山裾から入山する約2.8kmのコース。実は私、大がつくほどの運動音痴で、おまけに普段まったく運動をしないので、正直最後までついていけるのかとっても不安でした…。が!そんな不安を見透かすかのように、ガイドの伊折さんが「無理なく休み休み行きましょう。修行じゃないんで、苦しい思いしながらやることではないのでね」と、ニッコリ。優しい言葉にホッとしながら、リラックスして挑戦できました。

伊折さんいわく、スノーシューハイクの楽しみ方は大きくわけて2つ。まずは雪山ならではの、しんとした静けさを楽しんでほしいとのこと。雪が音を吸収するので、静寂が何よりの魅力なのだそうです。そしてもうひとつは、森の生命を感じてほしいということ。木をはじめとする植物は生きているので、温度を持ちます。木の幹の周りはそのせいで雪が少し解けていて空間ができるのです。「ぜひ自分の目で見て、森や木が生きているのを感じてみてください」。

しばらく歩くと、まだ誰も足を踏み入れていないような雪原が出現。「こういうところを歩くのが楽しいんですよ~!」と伊折さん。

皆次々に足跡をつけながら、童心にかえって雪に踏み入っていきます。かたわらには動物の足跡が残っていて、それにもびっくり。「何の動物ですか?」と尋ねると、「タヌキかキツネかな。ウサギの足跡もよく見ますよ」とのことでした。

道中は、伊折さんが珍しい植物についても解説。他の樹木に寄生して育つ植物ヤドリギや、樹皮がカサカサしていて見た目に特徴のあるミズナラ、お腹が痛い時に樹皮を噛むと腹痛を和らげるキハダ(薬の原料にもなるそうです)などについて教えてくれました。

面白かったのは、木がツルツルしていて白っぽいホオノキの前に差しかかった時のこと。

伊折さん:「これはホオノキといって…」

参加者:「へぇ~」

伊折さん:(ちょっと考えて)「いや、ここでのリアクションはさ…」

参加者:(察し)

伊折さん:(仕切り直し)「これはホオノキといって…」

参加者:「ほぉ~」

伊折さん:「まな板の材料にもなるんですよ」

参加者:「ほぉ~」

伊折さん:(満足げ)

という場面もありました(笑)。

途中、水分補給の休憩も挟みながら、ルートはいよいよ後半戦へ。槙さんが差し入れてくださった甘いミカンでおやつタイムを取ったのち、再びゴール目指して歩き出しました。この頃には皆すっかり歩くのに慣れて、足取りも軽い様子。道なき道を歩いて行く猛者も現れ(笑)、皆おのおのにスノーシューハイクを楽しみました。

そしてついに、約2時間かけ、ゆっくりゆっくり歩いたコースを完歩!気持ちの良い達成感にひたることができました。

皆が一様に笑顔になった、この日の貴重な体験。参加者の数名から、うれしい感想をいただいたので紹介します。

「普段はノルディックウォークのインストラクターなどをしていて、スノーシューも経験者。時々一人で歩きたくなるくらい、ウインターアクティビティのなかではスノーシューが一番好きです。一人で歩くのもいいけど、こうして皆で歩くとやっぱり楽しいですね。新雪の時はもっとフカフカで今日よりずっと歩きにくいんですが、それもそれで楽しい。皆さんにも、また違った雪の状態の時にチャレンジしてほしいです」

「地元で生まれ育ちましたが、スノーシューは初めての経験。最初に教えてもらったコツがとてもわかりやすく、参考になりました。今度はもっと山の高いところを歩いてみて、てっぺんからの景色を眺めてみたいです」

「スノーシューのチャレンジは初めてでしたが、単純にとても楽しかったです。“歩くこと”がベースになっているので、誰でも挑戦しやすい気軽さがいいですね。歩きならではのゆっくり景色を眺められる点や、のんびりとしたペース感が良かったです」

 私個人の感想としては、「…とにかく完歩できて良かった!」(どんだけびびってたんだ笑)。いやこれ、冗談抜きで、運動が苦手って思いこんでる人にこそ挑戦してほしいなと思います。そもそも山の空気がとても清々しいし、雪の白さに心が洗われるよう。久しぶりに体を動かしたことも相まって、得も言われぬ爽快感でした^^

今回は市民ローカルガイドツアーということで体験料は無料でしたが、普段の県民の森では有料で道具を貸し出し可。(スノーシューレンタル:日本製3000円・フランス製3500円、ストック500円)。

お願いすればガイドも受けてくださるので(1名5000円)、まずはガイド付きでトライしてみるといいかもしれません。

この季節ならではの、今までにない体験ができますよ~!

【問合せ】

ひろしま県民の森

広島県庄原市西城町油木156-14

0824-84-2020