
幸せを招く!福寿草鑑賞と春を感じるランチ&スイーツ
総領町のセツブンソウが開花のピークを過ぎると、次に庄原で注目されるのが庄原市東城町久代の為重地区のフクジュソウ(福寿草)です。鮮やかな黄色の花を咲かせるフクジュソウは、福を招き、長寿を意味する花として、古くから日本人に親しまれてきました。旧正月の頃に花を咲かせることから、「元日草」や「朔日草」とも呼ばれています。自生地である為重地域では、この時期になるとフクジュソウが群生。場所の詳細や見頃の時期、併せて訪れたいランチ&スイーツスポットをお届けします。
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庄原市東城町久代の為重地区に自生しているフクジュソウ。日本に自生する4種類のフクジュソウのうち、こちらで見られるのがミチノクフクジュソウという品種です。萼片が花びらよりも短いことが特徴で、中国北部・朝鮮半島及び東北から九州の一部にかけてと、広く分布しています。複数の花を咲かせる個体もあり、大きな花ではなんと7cm程度になることも…!例年は2月中旬頃から開花しますが、今年はいつになく遅くなっているのだそう。一般公開の期間は3月上旬~4月上旬頃までを予定していますが、3月下旬頃を目安に訪れてみるといいかもしれません。気温が上がると一気に花開くこともあるので、詳細は庄原DMOまでお尋ねください。
場所は東城ICから約5分のところにある、JAひろしま久代ライスセンター付近。ICをおりて県道25号線を走っていると、「フクジュソウ自生地まであと何km」の看板があるので目印にしてください。
現地に着くと、ずらりとのぼりが並んでいるので、そう迷うことなくたどり着けるのではないかと思います。山の斜面沿いに点々と咲くフクジュソウは、思いのほか立派…!自生地自体は全長1kmほどあるそうです。こぼれ種から自然と広がって、今のような群生地になったとのこと。今回、「ためしげ福寿草まつり実行委員会」広報の伊ノ木健治さんに話を聞いたところ、「きちんと整列しているわけではなく、いびつなところもあるんですが、それが自然そのままの風情なんですよ」と教えてくれました。
為重地区のフクジュソウはもともと自生していたものですが、平成18年頃から町おこしの一環として花を大きく取り上げることに。まつりを立ち上げ、年に2回は草刈りなどの手入れを行い、大切に守ってきました。発芽から花を咲かせるまでは大体4年ぐらいかかるそうで、受粉の手助けをしているのがハチやアブなどの昆虫。フクジュソウは日の光を浴びて花を開かせる植物ですが、太陽に向かって咲く、その花の熱を求めて虫たちが寄ってくるそうですよ。伊ノ木さんいわく、「日が陰っていると花がしぼみますし、時間帯によって見せる表情が違うのもフクジュソウの魅力です。為重地域のフクジュソウは、日の光がよく当たる14時~16時頃がもっとも美しく見えるかもしれません」とのこと。自生地を訪れる際は、よく晴れた日を選ぶといいですね。
また、3月16日(日)には、現地の特設会場で「ためしげ福寿草まつり」を開催。地域の人による山菜うどんや焼鳥などの飲食ブース、手作り手芸品の販売などを行います。アットホームな雰囲気なので、ふらりと立ち寄って、地元の人たちとのおしゃべりを楽しんでみるのもおすすめです。
「高齢化が進む為重地域ですが、フクジュソウの力を借りながら、ぜひ地元を盛り上げていきたいです。花をきっかけに若い人が東城町や為重地域に興味を持ってくれたらうれしいです」と伊ノ木さん。フクジュソウを守り続ける皆さんの思いを感じながら、春を告げる可愛い黄色の花を、存分に楽しんでみてください。
さて、せっかく庄原まで足をのばしたなら、地元のグルメも楽しんでほしいところ。今回はネーミングが“春つながり”ということで(笑)、『食彩館しょうばら ゆめさくら』から2店舗をピックアップ。
2024年12月にオープンしたばかりの『農家直営 さくら食堂』は、朝はタマゴかけご飯やおむすび定食を提供する『free café DREAM』として、夜はコースに応じた料理とお酒が並ぶ『酒喰処 夜桜』として営業する新スタイルの一軒。
地元の農家『しげはら農園』が営業しているため、野菜の美味しさは折り紙付きで、農家仲間から仕入れる安心の地素材をふんだんに使用しています。ガッツリ食べたい男性にうれしい「チキンカツ定食」「とり天定食」「からあげ定食」はいずれも850円というリーズナブルな価格で、ご飯の大盛り&1杯まで無料といった大盤振る舞いのサービスも。少食の人や高齢層にうれしいハーフサイズのメニューもそろいます。
イチオシは、1日限定40食の「さくら定食」(1350円)。名物焼き芋天に日替わり天ぷらが4種、味噌汁、ご飯、茶碗蒸し、煮物、和え物、漬物、デザートが付く大充実の内容で、特に名物の「焼き芋天」はリピート確定の美味しさ…!ねっとりした食感&濃厚な甘さが、ほかにない味わいです。今からの季節は、山菜の天ぷらもお目見えするそうですよ。また、庄原が誇るブランド和牛・比婆牛をたっぷり使った「比婆牛丼」(3500円)もおすすめ。炙り柚子醤油でシンプルに肉の旨味を引き立てた一杯は、ジューシーかつボリューミーで満足すること間違いなし!
食後のデザートは、同施設内にある『ミルクファームHARU』へどうぞ。こちらは広島県酪農協同組合のアンテナショップで、県産牛乳を使ったソフトクリーム、ジェラート、バターやチーズなどを取り扱っています。
おすすめは、約20種類のフレーバーがそろうジェラート。バニラ、チョコ、ストロベリー、抹茶、ピスタチオ、バナナ、さつまいも、ブルーベリーなどなど、目移り必至のラインナップ。特に昨年登場した「長時間熟成塩レモン」は、塩と塩麹に漬けて熟成させた瀬戸内産のレモンを使った、さっぱりと体に優しい一品。ほんのりとした塩気が、ドライブや散策で動いた後にぴったりの美味しさです。サイズも色々あり、キッズサイズ(300円)、シングル(450円)、ミニダブル(550円)、ダブル(600円)、トリプル(700円)と、選べるのがうれしいポイント。今後は「よもぎ」や「さくら」といった、春限定フレーバーが登場予定なのでお楽しみに♪
『食彩館しょうばら ゆめさくら』から、為重地域のフクジュソウ自生地までは、高速道路で約30分程度の距離。伊ノ木さんおすすめの開花時間(14時~16時頃)に合わせて訪れるなら、はじめにゆめさくらでランチとスイーツを堪能してから現地へ向かうと、ちょうどいい時間帯になるかもしれません。ゆめさくらには、地元の新鮮野菜が並ぶ『朝どり市』、比婆牛の各部位がそろう『ミート工房』、酒や銘菓、地元の特産品を購入できる『特産店』、自家製粉の小麦粉や米粉を使ったベーカリー『米麦工房21 めぐみ』があり、お買い物やお土産選びにも最適。
各スポットを巡って、春の庄原ドライブを楽しんでみてください。